顎関節症の治し方と原因を徹底解説｜歯科での最新治療法・セルフケアまで全ガイド

著者：T DENTAL OFFICE 天王寺インプラントクリニック

「口を開けると“カクッ”と音がする」「朝起きると顎が痛い」「食事中にあごが疲れる」——そんな違和感や痛みに悩まされていませんか？近年では、スマートフォンの長時間使用や歯ぎしり、ストレスなど多様なライフスタイル要因が関節や筋肉に影響を与え、発症や悪化につながるケースが増えています。また、歯の欠損やインプラント治療と顎関節症との関係も注目されており、正しい噛み合わせや口腔環境の維持が一層大切とされています。

「原因がわからず不安」「どの治療法が自分に合うのか迷っている」「セルフケアで改善できるの？」——そんな声に、症状・診断・セルフケアから歯科・口腔外科での治療法、生活習慣の改善まで徹底的に解説します。インプラント治療を検討している方や、すでにインプラントを入れている方も、顎関節症とのつながりを知っておくと安心です。

放置すると症状が慢性化し、治療期間や費用が膨らむリスクも。最後まで読むことで、ご自身に最適な顎関節症の治し方と日常生活で役立つ具体的なポイントが手に入ります。悩みを根本から改善し、快適な毎日を取り戻しましょう。

顎関節症とは何か？症状・原因・診断の全体像を徹底解説

口を開けるときや噛むときに痛みや違和感を感じる場合、それは顎関節症の可能性があります。顎関節症は、関節や周囲の筋肉の異常により、顎の運動や咀嚼、発音に影響が出る状態です。幅広い年代で発症し、特に女性に多い傾向があります。日常生活に支障をきたすことも少なくありません。原因や症状が多岐に渡るため、早期のセルフチェックと専門的な診断が重要です。歯科や口腔外科、場合によっては耳鼻科への相談も有効です。なお、インプラント治療後に噛み合わせが変化した場合や、インプラント部位周辺に違和感が生じた場合も、顎関節症のリスクが高まるため注意が必要です。

顎関節症の主な症状と見分け方

顎関節症には様々な症状があります。代表的なものは以下の通りです。

• 顎の痛み（特に開口時や咀嚼時）
• 口が大きく開かない、開けにくい
• 顎を動かすと「カクカク」「ジャリジャリ」と音がする
• 顔や耳のまわりの違和感、頭痛や肩こりを伴う場合もある

セルフチェックとして、以下のポイントを確認しましょう。

1. 口を指3本分（約4cm）開けられるか
2. 顎を開閉した際に痛みや異音がないか
3. 片側だけに痛みや開けにくさが集中していないか

これらの症状や違和感が続く場合は、早めに専門医へ相談しましょう。特にインプラントを入れている方で噛み合わせの違和感を感じた場合は、顎関節症のサインの可能性もあるため、歯科医師に相談することが大切です。

顎関節症の主な原因とは

顎関節症は複数の要因が絡み合って発症します。主な原因を整理します。

原因	内容例
噛み合わせの異常	歯並びや咬合のズレ、矯正治療後の変化、インプラントや補綴物の不適合
ストレス	歯ぎしり、食いしばり、日常の緊張
生活習慣	頬杖、うつぶせ寝、長時間のスマホ利用
外傷	顎への直接的な衝撃や事故
その他	遺伝的要素、女性ホルモンの影響など

特にスマホの長時間利用は、無意識のうちに顎や首、肩の筋肉へ負担をかけることが多く、近年増加傾向にあります。また、歯を失ったまま放置したり、インプラントやブリッジ・入れ歯などの補綴治療後に噛み合わせが合っていない場合、顎関節への負担が増し顎関節症を招くこともあります。悪い姿勢や習慣の見直しに加え、インプラントのメンテナンスや噛み合わせのチェックも予防や改善の第一歩となります。

顎関節症の診断方法と病院選び

顎関節症の診断には、まず適切な診療科の選択が重要です。主に歯科、口腔外科が窓口となりますが、耳の痛みや難聴を伴う場合は耳鼻科の受診も検討しましょう。また、インプラント治療や補綴治療を受けている場合は、治療を受けた歯科医院で噛み合わせやインプラント体の状態を確認してもらうことも有効です。

診断の流れは以下の通りです。

1. 問診：症状の経過や生活習慣、歯科治療歴やインプラントの有無も詳しく確認
2. 視診・触診：顎の動きや筋肉の状態、口腔内の補綴物やインプラントもチェック
3. 画像検査：必要に応じてレントゲンやMRIを活用し、関節や骨・インプラント周囲の状態を評価
4. 噛み合わせ・筋肉のバランス検査

診療科	得意分野・役割
歯科	噛み合わせ・歯の治療、インプラントの管理
口腔外科	顎や関節の専門的な診断・治療
耳鼻科	耳や側頭部の症状が強い場合

早期発見と適切な治療が、重症化や慢性化を防ぐ鍵となります。症状が長引く場合や自己判断が難しい場合は、迷わず専門医へ相談しましょう。インプラントを入れている場合は、噛み合わせや周囲の歯ぐきのトラブルが顎関節症に関与するケースもあるため、定期的なメンテナンスも欠かさず行いましょう。

顎関節症の治し方｜自分でできるセルフケアと注意点

自宅でできる顎関節のセルフケア方法

顎関節症のセルフケアは、日常生活で無理なく取り入れられる方法が多くあります。痛みや違和感がある場合は無理をせず、症状が改善しない場合は速やかに医療機関に相談しましょう。また、インプラント治療を受けている方は、無理なセルフケアがインプラントや周囲組織に負担をかけることもあるため、慎重に行いましょう。

代表的なセルフケア方法

方法	ポイント	注意点
顎のストレッチ	ゆっくりと口を開け閉めする	痛みを感じたら中止
マッサージ	耳の前や頬の筋肉を優しくほぐす	強い力では行わない
割り箸体操	割り箸を軽く噛み、正しい位置を意識	長時間続けない
生活習慣の見直し	姿勢の改善、スマホの使い過ぎ防止	うつ伏せ寝は避ける

顎のストレッチ方法

1. 背筋を伸ばし、リラックスした姿勢で座る
2. ゆっくりと口を大きく開け、5秒キープ
3. ゆっくり閉じて元に戻す
4. 1日5回を目安に実施

マッサージのコツ

• 両手の指先で耳の前や頬を円を描くように優しくマッサージ
• 1回1分程度を目安に行う

割り箸体操のやり方

• 割り箸を軽く前歯で噛み、まっすぐになるように意識
• 1分程度を目安に、無理なく続ける

これらの方法は、口腔周囲の筋肉の緊張を和らげ、顎関節への負担を減らす効果が期待できます。特にマッサージやストレッチの動画や図解を活用して、正しいやり方を確認しながら行いましょう。インプラントや被せ物がある場合は、歯科医師に相談しながらセルフケアを行うことが安全です。

セルフケアの注意点と悪化リスク

セルフケアを行う際は、「やってはいけないこと」や悪化リスクを十分に理解することが大切です。誤った方法や強すぎるマッサージは、症状を悪化させる場合があります。

セルフケアの注意ポイント

• 強い力でマッサージしない

顎付近の筋肉や関節はデリケートです。強い刺激や無理な押し込みは炎症や痛みの悪化につながるため、優しく行うことが基本です。

• 「一瞬で治る」方法は信じない

顎関節症は短期間で完治するものではありません。SNSや知恵袋などで話題の「一瞬で治す」方法は根拠がなく、症状を悪化させる恐れがあります。

• 痛みや違和感が強い場合は中止し、専門医へ

セルフケア中に痛みが増す場合や、口が開かなくなる、音が大きくなるといった症状が現れた場合は、すぐに医療機関を受診してください。特にインプラントの周囲で違和感や強い痛みが出た場合は、インプラント自体のトラブルの可能性もあるため、歯科医院での確認が必要です。

避けるべき行動リスト

• 無理に大きく口を開ける
• 顎を鳴らす癖
• 硬い食べ物を無理に噛む
• うつ伏せや頬杖など顎に負担をかける姿勢

受診の目安

症状例	受診推奨度
口が開かない	早めに相談
顎の痛みが続く	早めに相談
顎の音が大きくなった	医師へ相談
セルフケアで改善しない	医師へ相談

適切なセルフケアと併せて、症状が長引く場合や日常生活に支障を感じた場合は、速やかに歯科や口腔外科などの専門医に相談しましょう。インプラントなどの人工歯根や補綴物が入っている場合は、噛み合わせの調整やインプラント周囲のトラブル管理も重要です。

顎関節症の治療法｜歯科・病院での最新治療と治療選択のポイント

歯科・口腔外科で受けられる主な治療法

顎関節症の治療は、症状や原因に応じて複数の方法が選択されます。歯科や口腔外科で受けられる代表的な治療法を以下のテーブルで整理しています。インプラント治療を受けている場合や、歯の欠損が原因の場合は、噛み合わせの調整やインプラントの適切な管理も重要な治療の一環となります。

治療法	特徴・詳細	適応症例	注意点・デメリット
マウスピース（スプリント）治療	顎関節への負担を軽減し、歯ぎしり・食いしばりを抑制。夜間装着が一般的。	軽度～中等度	違和感・継続使用が必要
咬合調整	噛み合わせの不具合を調整し、顎関節へのストレスを緩和。	咬合異常が原因の場合	過度な調整は逆効果となる場合がある
矯正治療	歯並び・噛み合わせを根本から整える治療。	構造的な問題がある場合	長期間・費用がかかる
薬物療法	痛みや炎症を抑えるための鎮痛薬・筋弛緩薬・抗不安薬などを処方。	強い痛みや炎症時	長期使用は副作用のリスクがある

このほか、理学療法や超音波治療などを併用するケースもあります。状態によっては複数の治療法を組み合わせることが効果的です。インプラントや補綴治療後に顎関節症の症状が出た場合は、インプラント体の位置やかみ合わせの再評価も治療の重要なポイントとなります。

どの治療法が自分に合う？治療法の選び方と相談のコツ

自分に最適な治療法を選ぶには、症状や年齢、生活習慣などを考慮して歯科医師とじっくり相談することが重要です。治療選択のポイントを以下にまとめます。

治療選択のチェックリスト

症状の種類・程度を把握する

• 痛みの有無やあごの動き、音の有無などを整理しましょう。

原因を明確にする

• 歯ぎしり、ストレス、噛み合わせ異常、インプラントなど補綴物の有無など、原因によって適した治療が異なります。

治療法のメリット・デメリットを比較する

• 例えば、マウスピースは手軽ですが根本解決にはならない場合もあります。
• 矯正治療は根本的改善につながりますが、治療期間や費用の負担を考慮しましょう。
• インプラントの調整や管理が必要な場合は、歯科医師と継続的に相談しましょう。

専門医に相談する

• 顎関節症は専門性が高いため、口腔外科や顎関節症に対応しているクリニックの受診がおすすめです。インプラント治療後のトラブルも、できるだけインプラント治療経験の豊富な歯科医院で相談すると安心です。

治療法のメリット・デメリット比較表

治療法	主なメリット	主なデメリット
マウスピース	負担軽減・手軽に始めやすい	長期使用の必要・根本治療にはならないことも
咬合調整	根本的な原因にアプローチ可能	誤った調整で悪化のリスク
矯正治療	歯列・噛み合わせの根本改善	長期間・高額
薬物療法	痛みや炎症を早く抑えられる	副作用・根本的な治療にはならない

無理なセルフケアや独自の判断で治療を進めると悪化する場合もあるため、気になる症状がある場合は早めの相談が大切です。状態に合わせた最適な治療選択で、顎の健康をサポートしましょう。インプラント治療を受けている方は、定期的なメンテナンスを通じて顎関節症の予防にも努めましょう。

顎関節症と生活習慣｜改善・予防のためにできること

顎関節症と枕・寝方の関係と選び方

顎関節症の改善や予防には、毎日の睡眠環境が大きく関わります。枕の高さや素材、寝る姿勢は顎関節や筋肉への負担を左右するため、しっかり見直すことが重要です。

下記のテーブルは、枕選びと寝方のポイントをまとめたものです。

項目	ポイント	市販例
枕の高さ	顎が上がったり下がったりせず、首・あごが自然な位置になる高さを選ぶ	高さ調整可能枕、低反発枕
枕の素材	頭と首をしっかり支え、沈み込みすぎない適度な硬さが望ましい	低反発ウレタン、パイプ素材
おすすめ枕	高さ調整機能付き、オーダーメイド枕、ニトリや専門店の健康枕	ニトリ「高さ10通り枕」等
寝る姿勢	仰向けで寝るのが理想。横向きは片側の顎に負担がかかるため避ける	–

寝方のポイント

• 仰向けで眠ることで左右のあごに均等に力がかかり、片側だけの負担を防げます。
• 高すぎる枕や枕なしは、あごの関節や筋肉に無理な力がかかる原因になるため注意しましょう。
• 朝起きたときに顎の違和感が強い場合は、一度枕の高さや素材を見直してみてください。
• インプラント治療を受けている場合は、就寝時の顎への負担がインプラント部位にも影響することがあるため、より一層寝方や枕選びに気をつけましょう。

日常生活で注意すべきポイント

顎関節症を悪化させないためには、日常生活の中での行動や習慣にも気を配る必要があります。また、インプラントを入れている方は特に、日常の癖や力のかかり方がインプラントへの影響にも直結するため、以下の点に注意しましょう。

食事の注意点

• 硬いもの（せんべい、フランスパンなど）は避け、やわらかい食材を選ぶ
• 片側だけで咀嚼しないように意識し、左右均等に噛む
• インプラント部位で無理に硬いものを噛むと、周囲組織やインプラント体に過度な負担がかかるため注意が必要です

歯ぎしり・食いしばり対策

• 日中無意識に歯を強く当てないようにする
• 就寝時にはマウスピース（ナイトガード）の使用が推奨されます
• ストレスが原因の場合は、リラックス法や軽い運動も効果的
• インプラントを入れている場合は、歯ぎしり・食いしばりによるインプラント部位のトラブルを防ぐためにも、専用のマウスピースの使用や歯科での定期チェックがとても重要です

ストレスマネジメント

• 深呼吸やストレッチ、マインドフルネスなどで筋肉の緊張を和らげる
• 十分な休息と睡眠を確保する

簡単なセルフチェックリスト

• 朝起きた時に顎が痛む・重い
• 食事中に顎が鳴る・引っかかる
• 口が開きづらい、または閉じづらい
• 顎やこめかみに痛み・違和感がある
• インプラント部位に違和感や痛みが出ていないかも観察しましょう

上記の項目に該当する場合は、早めに歯科や口腔外科などの医療機関への相談をおすすめします。日々の生活習慣の見直しと適切なセルフケアが、顎関節症の悪化予防や改善に大きく役立ちます。インプラント治療を受けている方は特に、違和感や痛みを放置せず、異常を感じたら早めに担当医に相談することが大切です。

医院概要

医院名・・・T DENTAL OFFICE 天王寺インプラントクリニック
所在地・・・〒545-0052 大阪府大阪市阿倍野区阿倍野筋１丁目３−１５ 阿倍野共同ビル7階
電話番号・・・06-6655-0700