会話や食事がつらい！顎関節症の治療を考えている時に知っておきたい治療法の基本

著者：T DENTAL OFFICE 天王寺インプラントクリニック

「顎が痛くて食事や会話がつらい」「口を開けるとカクカク音がして不安」――そんな顎関節症の症状に悩まされていませんか？

顎関節症の治療は保存療法・薬物療法・マウスピース（スプリント）治療など多岐にわたり、症状や原因によって最適な方法が異なります。例えば、マウスピース治療は保険適用で費用を抑えられる場合もあり、初期対応のポイントを知ることで治療効果や負担も大きく変わります。また、歯の欠損や噛み合わせの大きな異常がある場合には、ブリッジや入れ歯、さらにはインプラントなどの補綴治療が必要になることもあります。インプラントは周囲の歯に負担をかけずに機能回復できるため、顎関節への負担軽減にもつながります。

「どんな病院に行けばいいの？」「治療費はどれくらいかかる？」「セルフケアで本当に改善するの？」といった疑問を感じている方も多いはずです。

あなたの健康な毎日を取り戻すために、ぜひこの記事を最後までご覧ください。

顎関節症の基礎知識と症状解説

顎関節症とは何か？ – 医学的定義と診断のポイントをわかりやすく

顎関節症は、あごの関節や周囲の筋肉に痛みや動きの障害が生じる疾患です。医学的には「顎関節や咀嚼筋の機能障害」と定義されます。主な診断ポイントは、あごの痛み、関節の音、口の開閉障害の三つです。歯科や口腔外科での診察では問診や触診、X線やMRIなどの画像検査が行われます。診断には症状の持続期間や日常生活への影響も考慮され、慢性的な場合は早期の医療相談が推奨されます。

顎関節症の主な症状一覧 – 具体的な痛み・違和感・音などの解説

顎関節症の主な症状は以下の通りです。症状の現れ方や強さは個人差があるため、早めの把握が重要です。

症状	内容
顎の痛み・疲労感	咀嚼や会話時の痛み、筋肉の張り
口が開きにくい	開閉時の違和感や可動域の減少
開閉時のカチカチ音	関節の雑音やクリック音
頭痛・肩こり	顎の不調からくる二次的な症状
耳の痛み・耳鳴り	関節の近くにあるため関連して発生

顎関節症の主な症状①：顎が痛い・疲れる – 痛みや違和感の具体的な特徴を解説

顎関節症で最も多い症状が、あごの痛みや重だるさです。特に朝起きたときや食事中、会話時に強い違和感や疲労感を覚えることがあります。痛みは片側だけに現れる場合も多く、筋肉のコリや張りが原因となることがよくあります。放置すると痛みが慢性化し、頭痛や首・肩の不調を引き起こすこともあるため、早めの対処が重要です。なお、歯の欠損や噛み合わせの大きな異常が痛みの原因となっている場合は、インプラント治療などを含めた補綴的な対応も検討されることがあります。

顎関節症の主な症状②：口が大きく開けられない・開閉障害 – 開口障害や顎の動きの制限について詳述

口が大きく開かない、無理に開けようとすると引っかかる感じがする場合は、顎関節症の典型的な症状です。指が縦に2本以上入らないほど開口が制限されることもあり、食事や会話に支障をきたすことがあります。関節内部の炎症や筋肉の緊張が原因で動きが制限される場合が多いので、無理に動かさず専門医に相談しましょう。

顎関節症の主な症状③：口を開けると音がする・カチカチ音 – 関節雑音の種類や原因

口の開閉時に「カチカチ」や「ジャリジャリ」といった音がする場合、顎関節内で関節円板や骨がずれることで雑音が発生しています。これらの音は痛みを伴う場合と伴わない場合があります。音だけでなく痛みや開口障害を伴う場合は、進行した状態である可能性があるため注意が必要です。

顎関節症の原因 – 歯ぎしり・ストレス・生活習慣との関係

顎関節症の発症にはさまざまな要因が関与しています。主な原因は以下の通りです。

• 歯ぎしりや食いしばり：睡眠中や日中の無意識な歯ぎしりが顎関節に負担をかけます。
• ストレス：精神的なストレスが筋肉の緊張を引き起こし、症状を悪化させます。
• 悪い姿勢や頬杖：長時間のデスクワークや片側だけで噛む習慣もリスクです。
• 噛み合わせの異常や歯の欠損：歯の並びや噛み合わせの問題が関節への負担を増やします。歯の欠損が長期間放置されると、周囲の歯や顎関節に過度な負担がかかり、顎関節症が進行・悪化するケースもあります。こうした場合、インプラントなどによる欠損補綴が、顎関節の負担軽減に有効な選択肢となることがあります。

これらの要素が複合的に関与するため、生活習慣の見直しが重要です。

男性・女性で異なる発症傾向とリスク要因 – 性別による傾向や特徴

顎関節症は女性に多く発症する傾向があります。これは女性ホルモンが関節や筋肉に影響を与えるためと考えられています。また、ストレス耐性や生活スタイルの違いも影響します。男性でも歯ぎしりや噛みしめの習慣が強い場合はリスクが高まります。性別に関係なく、日常的なストレス管理や噛み合わせのチェックを心がけることが大切です。なお、歯の欠損がある場合は、インプラント治療を含む咬合回復対策も検討することで、リスク軽減が期待できます。

やってはいけないこと・悪化させる習慣

顎関節症を悪化させる行動や習慣を避けることが、症状の改善と再発防止のために重要です。

• 無理に口を大きく開ける
• 片側だけで噛む癖を続ける
• 頬杖やうつぶせ寝
• 硬い食べ物を無理に噛む
• 自己流のマッサージやストレッチを過剰に行う

これらの習慣は関節や筋肉に負担をかけ、症状が悪化する原因となります。特に、歯の欠損を放置したまま片側だけで噛む習慣が続くと、顎関節への負荷が増し、インプラントなどの補綴治療が必要となる場合もあります。

顎関節症のセルフチェック方法と初期対応 – 自己判断のポイントと行動例

顎関節症が疑われる場合、簡単にできるセルフチェックを行いましょう。

1. 口を無理なく開けて、指が縦に3本入るか確認
2. 開閉時に痛みや音がないか観察
3. 顎やこめかみに触れて痛みがあるかチェック
4. 食事や会話時に違和感や疲労感が強くないか確認

セルフチェックで異常を感じた場合は、無理に動かさず安静を心がけましょう。市販の鎮痛剤や冷温パックも応急処置として有効です。症状が数日以上続く場合や悪化する場合は、早めに歯科や口腔外科に相談することをおすすめします。歯の欠損や噛み合わせの大きな異常がある場合は、インプラント治療を含む補綴的アプローチについても相談してみましょう。

顎関節症は何科を受診すべきか・病院選びのポイント

顎関節症治療は何科？ – 口腔外科・歯科・整形外科の違いと選び方

顎関節症の治療を受ける際、どの診療科を選ぶべきか迷う方は少なくありません。基本的には口腔外科や歯科が専門的な治療を提供します。症状が顎の関節や筋肉に限られる場合は口腔外科、歯の噛み合わせや歯ぎしりが関係している場合は歯科が適しています。一方、顎の痛みが首や肩、全身の筋肉の問題と関連している場合、整形外科での診断が有効なケースもあります。歯の欠損による噛み合わせの異常が疑われる場合は、インプラント治療など補綴治療に強い歯科医院を選ぶとより適切な対策が可能です。

診療科	対応内容	受診の目安
口腔外科	関節・筋肉の診断治療、外科的処置	痛み・開口障害・音が気になる
歯科	噛み合わせ・歯ぎしり対策	歯の異常や噛み合わせが原因
整形外科	骨や筋肉全体の診断	首や肩など他部位の違和感

顎関節症で受診すべきタイミングと目安 – 受診判断のポイント

顎関節症の症状が軽度であれば、まずはセルフケアを試すことが推奨されますが、以下のような場合は早期受診が必要です。

• 口を開けると強い痛みや音がする
• 食事や会話が困難になる
• 症状が2週間以上続く
• 片方の顎だけが痛む、腫れる

特に開口障害や顎の変形、顔のしびれなどがある場合は、早めに専門医を受診しましょう。症状が慢性化する前に適切な診断・治療を受けることが、重症化や合併症の予防につながります。歯の喪失や咬合の問題が明らかになった場合は、インプラントなどの専門治療が必要になることもあります。

病院選びの基準 – 診療内容・専門医・設備の比較

病院選びの際は、診療内容の充実度や専門医の在籍、最新設備の有無を確認しましょう。以下のポイントを基準に比較すると選びやすくなります。

• 顎関節症専門外来の有無
• マウスピースやスプリント療法対応
• MRIやCTなどの画像診断設備
• 過去の症例や患者の口コミ
• インプラント治療を含む補綴治療の実績や相談が可能か

特にマウスピース治療やリハビリ、外科的処置の実績が豊富な医療機関は安心して受診できます。インプラント治療のような高度な補綴治療にも対応できる歯科医院であれば、噛み合わせや歯の欠損が顎関節症に与える影響を総合的に診てもらえるため、より安心です。事前にホームページや電話で診療体制を確認すると良いでしょう。

顎関節症の治療法と治療の流れ

一般的な治療方法 – 保存療法・薬物療法・理学療法

顎関節症は保存療法が基本となり、痛みや機能障害の緩和を目指します。主な治療法としては、薬物療法、理学療法、関節操作などがあります。日常生活での習慣改善やストレス管理も重要です。症状が軽度の場合は、生活指導やセルフケアだけで十分に改善が期待できます。

薬物療法による治療 – 痛み止め・筋弛緩薬・抗うつ薬

薬物療法は、痛みや炎症の緩和を目的としています。

薬剤の種類	目的・特徴
非ステロイド性鎮痛薬	顎関節や筋肉の痛みを和らげる
筋弛緩薬	顎周囲の筋肉の緊張を緩和
抗うつ薬	慢性的な痛みやストレス軽減

服用期間や種類は医師の診断により決まります。

注射による治療 – ボトックス治療・関節内注射

注射による治療は、保存療法で効果が不十分な場合に行われます。ボトックス注射は筋肉の過度な緊張を抑え、関節内注射は炎症や痛みを直接緩和します。副作用や治療頻度については医師と十分に相談することが大切です。

理学療法による治療 – 筋機能療法・運動療法・姿勢改善

理学療法は顎や首肩の筋肉のバランスを整えることに重点を置きます。

• 顎のストレッチ
• マッサージや温熱療法
• 姿勢指導

これらのアプローチにより、顎への負担を軽減し、再発予防にもつながります。

関節操作による治療 – 下顎マニピュレーション診査

下顎マニピュレーションは、専門医が顎関節の動きを確認しながら手技で調整します。これにより、関節の可動域が広がり、痛みの軽減や機能回復が期待できます。

マウスピース治療（スプリント）の種類と特徴

マウスピース治療は、顎関節や筋肉への負担を減少させるための一般的な方法です。寝ている間に装着することで歯ぎしりや食いしばりを防ぎます。種類にはハードタイプとソフトタイプがあり、症状や目的によって選択されます。

マウスピース治療のメリット・デメリット・費用 – 治療の選択肢と費用感

項目	メリット	デメリット	費用目安
ハードタイプ	耐久性が高い	違和感が出やすい	10,000円〜30,000円
ソフトタイプ	装着感がやさしい	変形しやすい	5,000円〜20,000円

保険適用される場合もあり、費用負担を抑えられます。

マウスピースの装着方法・保険適用の有無 – 装着手順と保険条件

マウスピースは歯科医院で作製し、毎晩就寝時に装着します。保険適用となる条件は、医師の診断で顎関節症と診断され治療が必要と認められた場合です。保険が適用されることで経済的な負担が軽減されます。

マウスピース以外の治療法 – 矯正・噛み合わせ調整・外科的処置

マウスピース以外にも矯正治療や噛み合わせ調整、さらにはインプラント治療が行われる場合があります。重度の顎関節症では、関節内手術や形成術など外科的処置が検討されることもあります。施術内容や期間、費用は症状や治療法によって異なるため、専門医による丁寧な説明を受けることが重要です。

新しい治療法の動向と先進医療 – 最新の研究や技術紹介

近年は再生医療や3Dプリンター技術を応用した関節補修、低侵襲手術など、先進的な治療法も登場しています。また、インプラント技術の進歩によって、失われた歯や顎の機能回復を目的とした新しい治療選択肢が増えています。最新の研究では、より回復が早く負担の少ない治療法が開発されつつあります。治療選択肢の幅が広がっている点も注目されています。

治療期間・回復までのステップ

治療期間は症状や選択した治療法によって異なりますが、一般的に数週間から数カ月かかります。定期的な通院や適切なセルフケアを継続することで回復が早まります。インプラント治療を併用する場合は、さらに治療期間が延びることがありますので、事前に医師と十分に相談しましょう。

治療のステージ（軽度・中等度・重度）と対応 – 各段階の治療内容

ステージ	主な症状	治療内容
軽度	違和感・軽い痛み	生活指導・セルフケア・保存療法
中等度	開口障害・強い痛み	薬物療法・マウスピース・理学療法
重度	顎の変形・強い障害	外科的処置・矯正治療・インプラント

自身の症状や治療経過に合わせて、無理なく治療を進めることが大切です。

医院概要

医院名・・・T DENTAL OFFICE 天王寺インプラントクリニック
所在地・・・〒545-0052 大阪府大阪市阿倍野区阿倍野筋１丁目３−１５ 阿倍野共同ビル7階
電話番号・・・06-6655-0700