2025.12.29

インプラント

 歯茎がしみる原因と対策を解説｜知覚過敏や歯周病の見分け方とセルフケア方法 

著者：T DENTAL OFFICE 天王寺インプラントクリニック

冷たい飲み物や歯磨きのたびに「歯茎がしみる」と感じていませんか？放置すると痛みや不快感だけでなく、将来的に歯を失うリスクも高まります。さらに、歯周病や重度の知覚過敏が進行した場合、最終的に失った歯を補うためにインプラント治療が必要になるケースも少なくありません。

「どの治療法が適切なのか」「症状が虫歯か知覚過敏か自分で判断できない」と不安に感じている方も多いでしょう。歯茎のしみる症状は原因ごとに対処法が異なり、間違ったケアは症状の悪化につながることもあります。

この記事では、歯茎がしみる症状のメカニズムからインプラントを含む幅広い治療選択肢まで解説します。

最後まで読むことで、あなたの悩みを根本から解決するヒントが必ず見つかります。

歯茎がしみる症状の全体像と基本的な理解

歯茎がしみる症状の具体的な現れ方と感じ方

歯茎がしみる症状は、次のような場面で強く感じやすいです。

• 冷たい飲み物や食べ物を口にしたとき
• 歯磨きの際に歯ブラシが歯茎に当たったとき
• 甘いものや酸っぱいものを食べたとき
• 歯科治療後やホワイトニング後に一時的にしみることがある

多くの場合、歯茎や歯の根元部分に「キーン」とした鋭い痛みや、じんわりとした不快感が生じます。特に歯茎が下がっている場合は、歯の根元が露出しやすく、知覚過敏を起こしやすい状態です。また、歯磨き粉の成分や刺激によって痛みを感じることもあります。

しみる症状のパターン別特徴

症状が出やすいタイミング	主な痛みの感じ方	考えられる主な原因
冷たいものを食べた時	鋭いしみる痛み	知覚過敏・歯茎の後退
歯磨き時	ブラシ接触でピリッと痛む	歯茎の炎症・摩耗
甘い/酸っぱいもの摂取	ズキズキ・しみる痛み	虫歯・エナメル質損傷

強い痛みや慢性的な症状が続く場合は、早めに歯科医院での相談が必要です。インプラント治療が必要となる重症化を未然に防ぐためにも、早期受診が重要です。

歯茎の構造と痛みのメカニズム

歯茎は、歯の根元を包み込み、細菌や外部刺激から歯を守る役割があります。正常な状態では、歯の根元は歯茎とエナメル質によって覆われ、外部刺激から守られています。しかし、歯茎が痩せて下がると、内部の象牙質が露出しやすくなり、冷たい刺激や歯磨き時の摩擦が直接神経に伝わりやすくなります。このような状態を放置してしまうと、歯が抜け落ちてしまい、インプラントやブリッジなどの補綴治療が検討されるケースもあります。

歯茎の構造としみるメカニズム

部位	役割・特徴	症状が出る原因例
歯茎	歯の根元を保護し、細菌侵入を防ぐ	歯茎の後退・炎症
エナメル質	歯の表面をカバーし、刺激から守る	エナメル質の摩耗・損傷
象牙質	神経に近く、刺激が伝わりやすい	象牙質の露出

歯茎が下がる主な原因

1. 強すぎるブラッシングや不適切な歯磨き方法
2. 歯周病などによる歯茎の炎症や後退
3. 歯ぎしりや咬み合わせの不具合
4. 加齢や遺伝的要因

これらが重なると、歯茎がしみる症状が現れやすくなります。また、歯茎の後退や歯の脱落を放置すると、噛み合わせや見た目の回復のためにインプラント治療を検討する必要性が出てくる場合もあります。

知覚過敏と歯茎の関係性

知覚過敏は、象牙質が外部刺激に敏感に反応する状態です。歯茎が下がることで象牙質が露出し、冷たいものや歯磨き時の刺激が神経に直接伝わることでしみる痛みが発生します。知覚過敏の主な原因には、歯茎の後退、エナメル質の摩耗、過度なブラッシング、酸性食品の摂取などが挙げられます。

知覚過敏の予防・対策ポイント

• 柔らかめの歯ブラシを使用し、正しいブラッシング法を実践する
• 知覚過敏用の歯磨き粉や塗り薬の活用
• 歯科医院でのコーティング治療やレジン充填
• 刺激の強い食べ物や飲み物を控える

しみる症状が続く場合は、セルフケアとともに専門医の診断・治療を受けることが大切です。

歯茎がしみる原因の詳細と見分け方

知覚過敏による歯茎のしみる症状の特徴

知覚過敏は、冷たい飲み物や甘いもの、歯磨きなどの刺激で歯茎や歯がしみる状態です。主な原因は、歯の表面のエナメル質が削れたり、歯茎が下がることで象牙質が露出することです。象牙質には小さな管が無数にあり、外部からの刺激が神経に伝わりやすくなります。

特徴的な症状

• 冷たい水や空気で一瞬「キーン」としみる
• 歯磨きや歯ブラシが当たる部分で痛みが出る
• 甘いものや酸っぱいものでしみる

予防法

• やわらかい歯ブラシを使う
• 過度な力での歯磨きを避ける
• 専用の歯磨き粉でケアする

知覚過敏のセルフチェック表

チェック項目	当てはまる場合の対策
冷たい飲食物で歯茎がしみる	専用歯磨き粉を使用する
歯ブラシが当たると痛む	歯磨きの力を弱める
甘い・酸っぱいものでしみる	刺激物を控え、ブラッシングを優しく

歯茎下がり（歯肉退縮）による痛みとその見分け方

歯茎が下がる（歯肉退縮）と歯根部分が露出し、刺激に敏感になります。特に、露出した象牙質が冷たいものや歯磨き粉、歯ブラシの刺激で痛みを感じやすくなります。歯茎下がりの原因は、加齢や歯周病、強いブラッシング、歯ぎしりなどが関与します。

見分け方のポイント

• 歯と歯茎の境目が長く見える
• 歯の根元が黄ばんで見える
• 歯磨き時や冷たい飲み物でしみる

主な原因別一覧

原因	症状の特徴
歯周病	歯茎が赤く腫れる、下がる、出血しやすい
強いブラッシング	歯茎がすり減る、歯根が露出する
歯ぎしり	歯茎や歯がすり減り、痛みや違和感が生じる

歯茎下がりが進行して歯が抜けてしまった場合、インプラント治療による回復が選択肢となる場合があります。インプラントは天然歯に近い見た目と噛む力を回復できる治療法として注目されています。

虫歯や歯周病が原因のケース

虫歯や歯周病は、歯茎や歯がしみる主な病気です。虫歯の場合、歯の内部まで進行すると神経に近づき、冷たいものや甘いもので強い痛みやしみる症状が現れます。歯周病では、歯茎の炎症や腫れが進行し、歯茎が下がって歯がしみることがあります。

虫歯・歯周病の症状

• 虫歯：痛みの強さが増し、進行すると持続的な痛みに変化
• 歯周病：歯茎の腫れや出血、口臭、歯の動揺感

虫歯と歯周病の比較表

病気分類	主な症状	進行度の見分け方
虫歯	冷たい水や甘いものでしみる	穴が見える、黒ずみ
歯周病	歯茎の腫れや出血	歯茎が下がり歯が長く見える

歯周病や重度の虫歯で歯を失った場合、口腔機能と審美性を回復するためにインプラント治療が推奨されることもあります。インプラントは残存する歯に負担をかけず、しっかり噛めるようになるため、多くの歯科医院で導入されています。

歯磨きや生活習慣が原因の場合の特徴

歯磨き時の力の入れすぎや間違った方法、食生活の乱れも歯茎がしみる原因になりえます。たとえば、硬い歯ブラシや強いブラッシング、過度のホワイトニング、酸性飲料の頻繁な摂取は歯のエナメル質や歯茎を傷めます。

セルフケアのポイント

• やわらかい歯ブラシを選び、優しくブラッシングする
• 酸っぱいものや炭酸飲料は控えめにする
• 適切な歯磨き粉を選択し、過度なホワイトニングは避ける

歯磨き・生活習慣セルフチェックリスト

1. 歯ブラシの毛先が広がっていないか
2. 歯磨き粉は知覚過敏専用か
3. 酸味の強い飲食物や嗜好品を頻繁に摂取していないか

これらのポイントを確認し、症状に応じてセルフケアや歯科医院での相談を検討してください。

正しい歯の磨き方とセルフケア

正しい歯磨き方法とおすすめの歯磨き粉・塗り薬

歯茎がしみる症状を和らげるためには、毎日の歯磨きが非常に重要です。歯磨きの際は力を入れすぎず、やさしいブラッシングを心がけましょう。硬すぎる歯ブラシや強い力は歯茎を傷つけ、症状を悪化させる原因となります。歯磨き粉は知覚過敏向けや歯茎ケア専用のものを選ぶとよいでしょう。

おすすめ成分

• 硝酸カリウム（知覚過敏抑制）
• フッ素（歯質強化）
• 塩化セチルピリジニウム（歯周病予防）

避けるべき成分

• 研磨剤の多い歯磨き粉
• 強いミントや刺激の強い成分

また、歯茎用の塗り薬も市販されています。歯茎の炎症や痛みが強い場合は、歯科医院で相談のうえ適切な薬を使用しましょう。症状が慢性化し、歯の保存が難しくなると、インプラント治療などの選択肢を検討するタイミングとなることもあります。

市販の塗り薬・歯磨き粉の特徴比較と効果的な使い方

歯磨き粉や塗り薬の選択は症状によって異なります。市販品の成分や特徴を比較して、効果的なケアを行いましょう。

製品名	主な成分	特徴・期待できる効果	使い方のポイント
知覚過敏用歯磨き粉	硝酸カリウム・フッ素	神経の過敏反応を抑制	1日2〜3回、優しくブラッシング
歯茎ケア歯磨き粉	ビタミンE・CPC等	歯茎の炎症予防・出血抑制	歯茎をマッサージするように磨く
歯茎用塗り薬	抗炎症成分・ビタミン等	炎症・腫れ・痛みの緩和	適量を患部に塗布し、口内を清潔に保つ

塗り薬や歯磨き粉は継続的に使用することで効果が現れやすくなります。症状が長引く場合や急激な悪化が見られる場合は、自己判断せず歯科医院に相談しましょう。歯を残せない場合、インプラントなどの補綴治療が必要となることもあるため、早期の対応が大切です。

歯科医院での診断・治療方法と適切な受診タイミング

歯科医院で行う検査の種類と診断プロセス

歯茎がしみる症状に悩んでいる場合、歯科医院ではまず詳しい問診が行われます。日常生活での違和感や痛みのタイミング、冷たいものや歯磨きでしみやすいかなどを聞き取ります。その後、口腔内の視診で歯茎や歯の状態、歯石の有無、歯の根元の露出を確認します。必要に応じてレントゲン撮影を行い、虫歯や歯周病、骨の状態などを精密に調べます。これらの検査を通して、知覚過敏・虫歯・歯周病など、症状の原因を特定します。重度の場合は、インプラント治療の適応も含めた治療計画の説明が行われることがあります。

主な検査の流れ

1. 問診：症状や生活習慣の聞き取り
2. 視診：歯茎・歯・粘膜の状態チェック
3. レントゲン：隠れた虫歯や骨の状態を確認
4. 必要に応じて感受性テストや歯周ポケット測定

これらにより、歯茎がしみる根本的な原因が明らかになり、最適な治療方針が立てられます。

歯茎がしみる症状に対する主な治療法

歯茎がしみる場合、原因に応じて複数の治療法が提案されます。知覚過敏の場合は、薬剤の塗布や歯のコーティング処置が一般的です。歯茎の炎症や歯周病が原因であれば、歯石除去や歯周基本治療が行われます。虫歯や歯の根元が露出している場合は、レジン（プラスチック）充填によるカバーも有効です。また、歯の欠損が進み、通常の治療では改善が難しい場合には、インプラント治療が選択肢となることもあります。インプラントは人工歯根を顎の骨に埋め込む治療法で、歯の機能や見た目の回復に大きく貢献します。

主な治療法一覧

治療法	対象となる症状	内容と効果
薬剤塗布	知覚過敏	専用の薬剤で象牙質を保護し刺激を遮断
コーティング処置	知覚過敏・露出部	歯の表面をコーティング剤で覆い痛みを軽減
歯石除去	歯周病・炎症	歯石やプラークを除去し歯茎の炎症を改善
レジン充填	歯茎の下がり・露出	歯の露出部をレジンで覆い刺激から保護
インプラント	重度の歯の欠損	人工歯根で歯の機能と見た目を回復

これらの治療を組み合わせることで、多くの方が症状の改善を実感できます。市販の歯磨き粉やセルフケアだけで改善しない場合は、早めに歯科医院での診断・治療を受けることが大切です。

治療費の目安と保険適用範囲

歯茎がしみる症状の治療費は、治療内容や症状の重さによって異なります。多くの場合、知覚過敏用の薬剤塗布や歯石除去、レジン充填は保険適用となります。ただし、インプラント治療に関しては、保険適用外となるケースがほとんどで、自由診療となるため費用が高額になる傾向があります。

治療内容	保険適用	費用目安（3割負担）
薬剤塗布	○	約500～1,000円
コーティング	○	約1,000～2,000円
歯石除去	○	約1,000～3,000円
レジン充填	○	約2,000～5,000円
インプラント	×	1本あたり約30～50万円以上

症状や治療部位、使用材料によって異なります。初診料や再診料が別途必要となる場合もあります。インプラントは自由診療のため、各歯科医院で費用や保証内容が異なりますので、事前によく相談しましょう。

放置するリスクを解説

放置すると起こりうる症状の進行と合併症

歯茎がしみる症状を放置すると、さまざまな口腔トラブルへと進行するリスクがあります。特に歯周病や歯槽膿漏は、初期段階で適切なケアや治療が行われない場合、慢性化しやすいのが特徴です。慢性的な炎症が続くことで歯茎が下がり、象牙質の露出や知覚過敏が強くなり、冷たい飲み物や歯磨き粉でも強い痛みを感じやすくなります。さらに、歯を支える骨が溶け始めることで歯の揺れや抜け落ちのリスクが高まるため、早期の対応が重要です。歯の喪失が進行した場合、インプラントなどの高度な治療が必要となることもあります。

経過段階	主な症状	起こりうる合併症
初期	歯茎のしみる痛み、軽度の炎症	知覚過敏
中期	歯茎の腫れ、出血、痛みの増加	歯周ポケットの拡大、歯石沈着
進行	歯のぐらつき、歯茎の後退	歯槽膿漏、歯の脱落、慢性炎症、インプラント治療が必要となることも

このように、症状が進行すると治療も複雑になり、通院や治療期間、費用も増えてしまいます。

口腔全体および全身疾患への影響

歯茎がしみる状態を放置することは、口腔内だけでなく全身の健康にも影響を及ぼします。口腔内で慢性的な炎症や細菌感染が続くと、強い口臭や感染の拡大が起こりやすく、日常生活にも悪影響を及ぼします。特に、細菌が血流を通じて全身に広がることがあり、心疾患、糖尿病、誤嚥性肺炎などのリスクが高まることが報告されています。歯の脱落による咀嚼機能の低下は、食生活や栄養摂取にも影響し、インプラントや入れ歯といった補綴治療が必要になるケースも増えます。

放置による主なリスクをリストで整理します。

• 強い口臭や金属臭
• 歯肉からの出血や膿の発生
• 歯の脱落による咀嚼機能の低下（インプラントや入れ歯による補綴が必要となる場合あり）
• 細菌による全身疾患のリスク増加

このように、歯茎のしみる症状は単なる一時的な不快感ではありません。放置せずに早めのケアや歯科相談を行うことで、健康な口腔環境と全身の健康を守ることが可能です。

医院概要

医院名・・・T DENTAL OFFICE 天王寺インプラントクリニック
所在地・・・〒545-0052 大阪府大阪市阿倍野区阿倍野筋１丁目３−１５ 阿倍野共同ビル7階
電話番号・・・06-6655-0700